物 語
感 想
約束、それはたいてい破られるもの。
寂れた商店街の素人劇団と昔の踏切事故。
約束を守っていれば死なずにすんだ少年が見守る商店街の行方。
陽気な楽団が織りなす哀しいメロディ。
わかるようでわかない、するりと手のひらから消えてしまう、そんな追憶のメロディ。
最近話題になっていたのと、河野さんが出演するというので観に行った劇団。
もう10年もやっているベテラン劇団らしいが、劇団員の実力にはかなりの差が。
いやはや。
こんなに出番の多い河野さんがかつていただろうか。
こんなにセリフをしゃべる河野さんがかつて存在しただろうか。
ってぐらい驚いた。
なんせ、新幹線は劇団員が脇にまわるのがデフォなので必然的に出番は減り、見せ場なんてほとんどない。
それがどうよ。
主役よ。
これは河野ファンだったらうれし泣きして、毎日通ってしまうだろう。
実際問題、この芝居の中で一番上手いのは、間違いなく河野さんだったし。
新幹線、もったいないよ。
ストーリー的には、現実部分とファンタジー部分があまりうまく溶け合ってないような気もしたけど、約束という共通テーマでの結び付きはうまくいったと思う。
あの時、ああしておけば、という後悔はいつまでたってもなくならない。
血まみれ電車で去っていく友。
振り上げた手はいつまでも、そのままだ。