NEVER GONNA DANCE
　

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物 語

1930年代。米国。
ショー花形ダンサーのラッキー（坂本昌行）は、結婚式当日、最後のステージに立っていた。
彼は結婚を機にショーダンサーを辞めるつもりだ。
だが、ラッキーを引き止めたい仲間のダンサーは、わざと時計を遅らせていた。
何も知らないラッキーは、時間通りに教会に行くが、そこにいたのは婚約者のマーガレット（秋山エリサ）と彼女の父親と牧師だけ。招待客は全員、帰ってしまっていた。
激怒した父親は、マーガレットと結婚をしたいのならば、ダンス以外の事業で25000ドルを稼いでくるよう命じる。
ラッキーは、1ヶ月後に花嫁を迎えに来ますと言い残し、幸運のラッキーコインだけを持って単身ニューヨークへとのりこむ。
ニューヨークは街中がダンスしているような街だった。
ついてそうそう、ラッキーはモーガンサル（三田村邦彦）という浮浪者と知り合いになり、ひょんなことから、大事なラッキーコインがダンス講師のペニー（紺野まひる）の手に渡ってしまう。
ラッキーコインを追いかけ、ラッキーはペニーの後を追う。
そして、彼女がクビ寸前のダンス講師であることを突き止め、素人のふりをして彼女に入門する。
ペニーは素人のラッキーをうまく躍らせた功績でクビがつながり、更には素人を対象としたダンスコンテストへのオファーまで来てしまう。
そのダンスコンテストの賞金は50000ドル。半分は25000ドル。これで、結婚への難問もクリアだ。
張り切るラッキーだが、ダンスコンテストにはスパッド（渋谷すばる）という強力がライバルがいた。
実は、彼らもまたショーダンスのプロだったのだ。

一方、ダンスレッスンとともに、仲が深まっていくラッキーとペニー。ペニーはかつての恋愛の失敗から、恋愛に臆病になっていたが、親友のメイビル（大浦みずき）に励まされ、次第にラッキーに心を開いていく。
そして、ラッキーもまたペニーを愛し始めてしまう。
ひょんなことから、浮浪者から大金持ちになったモーガンサルはメイビルを誘い、二組のカップルが成立したかに見えたが。
ダンス大会当日、なんとマーガレットがラッキーに会いにきてしまう。
婚約者の存在を隠していたラッキーをペニーは許せない。なお悪いことに、ラッキーがプロのダンサーだということが、審査員たちにばれてしまい、急遽、大会は中止。
すべてを明るく考えきたラッキーだが、ペニーに去られてしまい、ダンスまで踊れなくなってしまう。
だが、ラッキーコインはまだラッキーを見捨てなかった。
ペニーにしつこくアプローチしていたラテン歌手リカルド（赤坂泰彦）が、実はかつてのマーガレットの恋人であり、二人はお互い誤解から別れていたのだ。
誤解が解けた二人は、再び愛を誓う。そしてまたラッキーもペニーへの永遠の愛を誓う。
三組の恋人たちは、一緒に結婚式を挙げ、永遠に踊りつづけることを約束する。

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感 想

生オーケストラもはいった、本格的ミュージカルというのは、あまり経験がなく、この作品も実は友達に誘われたのだった。
なので、席については文句が言えないが、いやでも、国際フォーラムＣの３階は金とっちゃいかんだろう〜〜〜！　金とるんならば、全員にオペラグラスを貸し出ししていただきたいと思うのだが、どうだ？
普段はクラシックのコンサートなんかをやってるとこらしく、さすがに音響は素晴らしかったのが、いかんせん、表示は３階だがエレベーターは６階を示しているので、舞台への角度が有り得ないぐらい鋭角。全体のフォーメーションはよくわかって、そういう意味では面白かったけど、細かい仕草とかはさっぱりだったので、これがストレートプレイだったら辛いなあ。
まあ、だからこそのミュージカルでもあるのだろうけど。

主演がＶ６の坂本氏。彼の舞台はいくつか見ているが、すでにもうアイドルの域を越えていると思う。たぶんそのうち気がついたら、東宝ミュージカルの常連になっているに違いない。
あまりミュージカルを見たことがない自分でも、ダンスが違うと感じた。緩急自在の動きが、とても美しい。
紺野＆大浦の宝塚ＯＧ組は、さすがという言葉すら言いたくなくなるぐらい完璧。
紺野まひるの軽やかなダンスと、大浦みずきの圧倒的な存在感！
ダンスはもちろん、とにかく歌がうまい。安定しているので、聞いていてとても安心できる。
全体的に芸達者な人たちばかりなので、渋谷すばるがちょっと可哀想かなーとは思った。
一人だけダンスの経験不足がありありで、しかも、ペアを組んでいる藤林さんがダンス講師をやってるぐらい上手いので、ペアダンスのバランスが見ていてちょっと不安定だった。
それでも、歌は上手いしなにより、情熱が伝わってきてそれが野心家の役にあっていて、よかったと思う。

それにつけても、筋書きがあまりに単純で、昼ドラでもここまでご都合主義はないだろうよと、ミュージカルに詳しい知り合いに言ってみたところ、古い米国のミュージカルなんて、みんなそんなもんですと、返された。
そんなもんなんだ。なるほど。
ミュージカルは、踊りと歌がメイン。いかにその二つを生かすようなストーリーを作るかが、キモなのかもしれない。

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