物 語
感 想
最後の審判。
世界が終わる時、神に選ばれた人間たちはエデンに連れていかれ、永遠に楽しく暮らすのだというキリスト教観は、非キリスト教徒の多い日本には馴染みにくい。
基本的に日本の神は現世利益で、死んだあとのことよりも、生きているうちにいかに御利益をもらえるのかが、人々の焦点になるからだ。
神に選ばれなかった人たちの物語。
チーム申 は、亀次郎をメインゲストに迎えた作品。
神に選ばれなかった人たちは、終わる世界に置いていかれるという身も蓋もなさ。
狭き門の門を閉めるために、あえて残った主人公。
計画を推し進める正体不明の役人。
ただ淡々と事実だけを羅列し、そこに至る葛藤は表だって描かない。
諦めて受け止めて、世界と一緒に滅んでいく。
ゆっくりと終わっていく世界の片隅で、最後まで生きることを選んだ人たちの物語。
神は無慈悲で残酷だ。