物 語
感 想 三田よしこのセーラー服。
いったいどこに需要がというのは野暮なのだ。
需要はたぶんとごかにあるし、たとえないのだとしても、必然性があれば着る。
それが演劇。
ねずみの三銃士、5年ぶりの舞台。
前回よりもダークなミステリ作品となった今作。
一番の違いは、主役が三田よしこであること。
前回が6人それぞれの群像劇であるのならば、今回はヒロインが頂点のピラミッド型。
三田さんが主役の時点でもう、それは仕方がないのだけど、前回のノリを期待していた身としては肩すかしだ。
池田、生瀬、古田と現在演劇界最高峰の役者三人のユニットだから、当然彼らを期待する。
今回の彼らは、がっちりと脇を固める。
それはそれで面白くないことはないけど、でも、やはり、少し残念だ。
無責任なマスコミ。
あることないこと書きたてては、国民の知る権利を代弁しただけだと開き直る。
いったいどこの誰が、堕ちた女のプライバシーなんか知りたいものか。
次の瞬間忘れるような、どうでもいいクソみたいなニュース。
でも、家族にとっては致命傷。
傷つけられた魂は修復されることもなく、知る権利があるのならば、知らない権利も、知らせて欲しくない権利もあるはずだが、論議の俎上にも上がらない。
またにはマスコミも責任をとればいい。
いったいどれぐらい自分たちは罪深い存在なのかと。
ついインパクトあるセーラー服に目を奪われがちだが、本当に見なくてはいけないモノはたいてい地味でつまらない。