観劇日：2003/01/06
劇 場：さいたま芸術劇場
脚 本：井上ひさし
演 出：蜷川幸雄
出 演：藤原竜也/小栗旬/鈴木杏/辻萬長/吉田鋼太郎/白石加代子/他
物 語
感 想
井上ひさし書き下ろしということで、初日間に合うかとドキドキしてしまったけど、笑い涙のバランスのいい、さすがベテランの筆。
藤原達也、小栗旬という蜷川くんのテッパンに加え、鈴木杏、白石加代子、吉田鋼太郎とこれまた最強の布陣。
蜷川さんがどれだけ、この戯曲を望んでいたかわかるというものだ。
巌流島の戦い後のムサシと小次郎。
復讐に取り付かれた小次郎を、あの手この手で宥めすかそうとする、見えない存在。
テーマはただただわかりやすく、「生きろ」
生きてこそ花身が咲く、うっかり死んでしまったからこそ、彼らの気持ちがよくわかる。
軽妙洒脱、素直に流れに身をまなせているうちに、ラストシーンへとたどりつく。
筆運びはやはりベテラン、上手いなあ。
そして、その脚本を際立たせている演出。
手堅いきっちりした演出だからこそ、竹林が動くシーンでの幽玄さが際立つ。
手練れ二人に気持ちよく乗せられた舞台。