作品データ

公開日：2003年10月4日
監督　：堤幸彦
脚本　：三浦有為子/堤幸彦
主題歌：安藤裕子「隣人に光が差すとき」
原案　：堤幸彦

キャスト

野波麻帆【ラナ】
小池栄子【希美】

関連商品

2LDK デラックス版
　2004/01/23発売　4935円
DUEL-BOX<2LDK×荒神
　2004/01/23発売　 9240円

見　　所

北村龍平監督とともに「DUEL〜対決」として、密室の中での殺し合いをテーマにした、二本立て映画。
ちなみに同時上映の北村監督作品は、時代もの男二人の対決の「荒神」迫力ある映像に圧倒されます。

あらすじ

タレント事務所に所属する、ポルノ女優橘ラナ（野波真帆）とＢ級アイドル松本希美（小池栄子）は、事務所の社長の愛人が住んでいたという、豪華な2ＬＤＫに同居している。
二人は同じ映画のオーディションを受け、どちらかがヒロインとして起用されるということになっていた。心の中ではライバル意識を剥き出しにしながら、表面的には取り繕っている二人。
奔放で男出入りが激しいラナと潔癖症で処女の希美は、最初からソリがあわなかったのだが、その夜、ついに火がついた。
発端は、ラナが希美の男性関係をからかったこと。それに腹をたてた希美は勝手にシャンプーを使ったラナを責めたてた。いったん喧嘩は下火になったと思いきや、浮気相手の妻に自殺されたというトラウマを抱えるラナが夜中に絶叫してしまう。それを自分への嫌味と受け取った希美は、ラナの部屋を徹底的に破壊する。怒ったラナは、部屋にあったチェーンソーを持ち出し、希美に迫る。
ヒロインの座を狙う、女優志望の女と女の仁義なき戦い。
殴る、蹴る、首を締める、熱湯を浴びせる、風呂に顔を突っ込む、通電する、カビキラーを顔面にかける、日本刀で斬りかかる、二人の死闘はやがて最後の対決に達する。
同じ瞬間に、お互いの首筋にスティックを突き刺した二人は、盛大に血を噴出しながら倒れる。その時、事務所から、二人ともオーディションに合格したという電話があった。
鸚鵡だけが、すべてを見てた。

感　　想

「チャイニーズディナー」に続く、登場人物二人による徹底的殺し合い第二弾。
堤幸彦ダークサイド。
チャイニーズが、非常にスタイリッシュな作品だとしたら、今回のは非常にえげつない作品。
女同士なんてただでさえ壮絶なのに、主人公を女優志望者に設定したのは拍手ものでしょう。
おかげで、えげつないことえげつないこと、直視できないぐらいのえげつない作品に仕上がりました。
堤監督、お素敵〜〜〜。
小ネタ一切なし、ただひたすら、相手を破壊することだけに腐心している作品。
スプラッタでありグロでもあるが。それは見た目のことではなく、この作品が主人公が内包しているものがとてつもなくグロい。
人間の中の一番グロい部分を、まっすぐから指摘している容赦ない作品でもあります。
堤監督の本質は、けっこうこっち側なのかもと思ったりして。
ドキュメンタリーとか撮ったら、面白いんじゃないかな。見てみたいなあ。