作品データ
公開日：2002年11月9日
監督 ：堤幸彦
脚本 ：蒔田光治
主題歌：鬼束ちひろ「月光」
キャスト
仲間由紀恵【山田奈緒子】
阿部寛【上田次郎】
生瀬勝久【矢部謙三】
山下真司【神崎明夫】
芳本美代子【南川悦子】
根岸季衣【菊姫】
大島蓉子【池田ハル】
前原一輝【石原達也】
瀬戸陽一郎【照喜名保】
アベディンモハメッド【ジャーミー君】
川崎麻世【安田安夫】
相島一之【本郷三四郎】
竹中直人【神001番】
ベンガル【神002番】
石橋蓮司【神003番】
伊武雅刀【長曾我部為吉】
野際陽子【山田里見】
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見 所
祝☆映画化。
連ドラから映画になったのは、ケイゾクに続いて2本め。
あ、金田一少年がありまして、そーいえば。
映画になったからといって、テイストはそのまんま。
山田と上田と堤監督がいれば、そこが東京都内であろうと、山奥の村であろうと、時空問わずトリックワールド。
小ネタは多少パワーアップしているものの、本当に力の抜けた素敵作品。
あらすじ
相も変わらず、売れないマジシャンである山田奈緒子。ある日突然、アパートが高級マンションに建て替えをするので家賃が払えないのなら出ていってくれと一方的に宣言される。しかも、唯一の収入源のマジックショーもクビに。
途方にくれている奈緒子に仕事を依頼する男女の二人連れ。彼らは、糸節村という山奥の村の青年団だった。糸節村には三百年に一度、巨大な亀が現われて村に災いをもたらすという伝説があり、今年がそれにあたる。正しい行ないをしていれば、神が現われ村を救ってくれるという伝説もあり、彼らは奈緒子に神の振りをして、村人たちをパニックから救ってくれと頼んだ。奈緒子は上機嫌で依頼を引き受けた。
だが、アパートの部屋に戻った奈緒子の前には、謎の鬼の石像と脅迫状。誰かが奈緒子を妨害している？
タイミングよくかかってきた電話は上田からだった。
エリート高時代の友達と宴会をしている上田は、余興に奈緒子を呼んだのだが、上田以上にひねくれている友人たちは、奈緒子のマジックを馬鹿にする。上田も奈緒子を馬鹿にする発言をし、奈緒子は悔し涙とともに料亭の部屋を後にした。
上田の友人の一人の臼田は、徳川の埋蔵金を見つけたと言ったその直後、トイレで何者かに殺されてししまう。トイレの床に残された血文字は「トイレツマル」。高級官僚である友人たちは、埋蔵金を見つけるため、全国トイレ水洗化計画を警察官を使ってやり始める。
糸節村にやってきた奈緒子だったが、そこにはすでに、三人の神がいた。神004番の名札をつけられた奈緒子は、倉に閉じ込められてしまう。本物の神以外は殺すというのだ。奈緒子ピンチ。
その時、窓の外から声をかけてきたのは上田だった。上田はたまたま伝承やオカルト現象の多いこの地に取材旅行に来ていたのだ。
奈緒子は、上田から臼井の話を聞き、「トイレツマル」が糸節村を指していることを解き明かす。埋蔵金はこの村にある。うまく村人たちに自分が神であると認めさせられれば、謝礼に埋蔵金をもらうことも可能。奈緒子は上田の協力で、他三人の神を出し抜くことを決意。二人は通信用の暗号を決め、対決に備えた。
翌日、神三人のトリックを暴いた奈緒子は、村人たちが出した問題もクリア。村人たちに神だと認めさせることに成功した。だがその時、奈緒子を村につれてきた青年団の二人が、村の奥で本物の神を見たと駆け込んできた。
神を騙る者として、一転して追われる立場となった奈緒子。他の神三人もいつのまにか誰かの殺されていた。このままでは、殺される。
奈緒子は一人だ本物の神と対決するために、山奥へと向かった。最後の上田に向かって、暗号文で別れを告げる奈緒子。ただ一つの心残りは、昨夜、上田が残した暗号文の真意だったのだが……。
山奥の洞穴に少女が一人いた。神だというその少女は、実は結婚を認められなかった青年団の二人の子どもで、二人はこっそりと少女を育てていたのだ。少女は、村の巫女に「村を滅ぼす者」と言われていた。
普通の力ではない力を持った少女は、村に危機が迫っていることを感知し、村へ知らせに走った。だが、半狂乱になった巫女に殺されそうになり、かばった父親が死んでしまう。母親は少女を連れ、山に火を放った。盛大な山火事が村を飲み込もうとしている。
その時、なぜか山田の母・里見が村にやってきた。頼まれていたお札を持ってきたのだという。村中パニックの中、心静かに文字の力を力説する里見。火はそこまで迫ってきている。
奈緒子と上田は、300年に一度現われる亀の伝説から、300年に一度湧き出る泉のようなものがあるのではないかと思い、村の周辺を探した。水脈は亀の形をした岩に押さえつけられていた。テコの原理で岩を動かした上田と奈緒子は、水脈を解放し村を救った。
のだが、なぜだか村を救ったのは里見ということになっていて、脱力する奈緒子。結局、依頼人は死んでしまい、埋蔵金も見つからなかった。骨折り損のくたびれ儲けとはまさにこのこと。東京に帰っても、アパートは追い出されて行くところもない。
山道を下りながら奈緒子は、上田のしばらくマンションに泊めろと言い出す。それより上田は、奈緒子が誤解した暗号のことが気になるようだ。そのたびに、話をはぐらかす奈緒子。二人の上には、何事もなかったかのような青空が広がっている。
感 想
蒔田さん、天才！
どこを切っても「trick」にしかならないという脚本が、ホントに素晴らしいー。伏線張りまくりで、その伏線がすべてキチンとキレイにおさまっているというのも、非常に気持ちいいっす。風呂敷広げるだけ広げて、そのまんまの作品が多い中、なんて良心的なんでしょう。
まさに、脚本家の鏡。
二時間ＳＰではなく、映画ということでか、どこをとっても、なんとなく豪華さを感じさせる出来で、見ていて本当に楽しかった。
画面からスタッフの人たちの楽しんでる感じが、伝わってくるようだったですよ、堤さん！
ギャグコネタも満載で、更にひねりがあってすごくよい。
神様三人のキャラも立っててよかったなー。
ホントに、久々に娯楽の力というものを感じさせていただきました。
面白かった。
感想は、この一言に尽きる。
そして、ニヤニヤ笑ってしまいたくなるラストシーン。
あのラストを描くために、わざわざああいう暗号を作ったんだなあ。すげーな蒔田さん、頭いいなー。上田以外の全員が、ニヤニヤと笑いたくなってしまうエンディングが、この映画で一番好きなとこかもしれない。
パート３、実現しますように。