作品データ
放送日：2004年7月期 金曜22時
放送局：TBS
演出 ：堤幸彦（1,2,5,6,10,11話）
：石井康晴（3,8話）
：平川雄一朗（4,7,9話）
脚本 ：森下佳子（全話）
原作 ：片山恭一「世界の中心で愛を叫ぶ」
主題歌：柴咲コウ「かたち あるもの」
キャスト
山田孝之【松本朔太郎】
綾瀬はるか【廣瀬亜紀】
田中幸太朗【大木龍之介】
柄本佑【中川顕良】
本仮屋ユイカ【上田智世】
夏帆【松本芙美子】
田中圭【安浦正】
松下由樹【谷田部敏美】
高橋克実【松本潤一郎】
大島さと子【松本富子】
手塚理美【廣瀬綾子】
三浦友和【廣瀬真】
緒形直人【松本朔太郎/現在】
桜井幸子【小林明希】
関連商品
「世界の中心で、愛をさけぶ」 オリジナル・サウンドトラック
2004/08/11発売 2625円
世界の中心で、愛をさけぶ <完全版> DVD-BOX
2009/09/18発売 20895円
世界の中心で、愛をさけぶ <完全版> 1〜5
2009/09/18発売 各4935円
見 所
白血病で亡くなった彼女と過ごした高校時代を回想する……という設定で、なぜか爆発的ベストセラーになってしまった原作と、長澤まさみ＆森山未來の安定した演技でこれまたヒットになった映画に続いてのドラマ化。
そのせいか、堤監督の意気込みが画面のハシバシから感じられ、ものすげぇ力はいってんなあと思う、非常に素直な青春ドラマ。
伊豆でのロケ映像が美しい。
夏と海と綾瀬はるか、というだけで一見の価値あり。
尺が長い分だけ、高校時代のエピソードや、現在の恋人へ一歩踏み込めない葛藤も描かれていて、原作より深みが増した感じはいいけど、遺灰の扱い方については、ちょっと賛否両論かもしれない。
過去を過去として切り捨てるという象徴的なシーン。
見る人によって、印象が変わるかも。
サブタイトル
第1話：恩師からの手紙
第2話：微妙な距離
第3話：永遠の別れ
第4話：最後の日
第5話：忍び寄る影
第6話：生への旅路
第7話：明けない夜
第8話：プロポーズ
第9話：最期の選択
第10話：たすけてください…
最終話：かたち あるもの
特別編：17年目の卒業
あらすじ
ごく普通の中学生だった、サクとアキ。
特別に意識したことのない二人は、同じ高校に進み、同じラジオ番組を聞いていることから休息に親しくなり、やがて恋に落ちる。
それぞれの友達、龍之介と智世もいい感じで、グループ交際のように四人は楽しい夏の日を過ごす。
夏休みに無人島に遊びに行っただけなのに、アキが倒れてしまう。
それは二人の別れの始りだった。
17年後の朔太郎。
大学時代からの親友明希、シングルマザーで女で一つで子供を育てている明希の力になりたいと思っているのに、一歩踏み出せないのは、アキとの恋の思い出のせい。
どうしても、捨てられないアキの遺灰。
美しい思い出が、今の朔太郎を縛り続ける。
夏の日に倒れたアキは、そのまま入院した。
白血病……物語の中にしかないと思っていた病気が、よりによって愛する彼女に降り掛かったのだ。朔太郎は混乱し、アキを元気つけようとして空回り、逆にアキに勇気づけられたりしてしまう。
夏は過ぎ秋になり、アキはどんどん衰弱していく。
アキが憧れていたオーストラリア。もし、このままアキが死んでしまうのならば、まだ動ける今連れて行くしかない。
そう決意したサクは、オーストラリア行きの航空券を手配し、病院からアキを連れ出す。
だが、アキの体は電車の移動にすらもう耐えられなかった。空港で意識を失ってしまうアキをどうすることもできず、サクは助けて下さいと泣きながら叫び続ける。
病院に連れ戻されたアキは面会謝絶になり、アキの両親はサクを拒否した。
そのままアキは旅立ってしまった、サクだけを残して。
アキの時間は止まったが、サクの時間は止まらない。大学に進学した朔太郎は、そこで明希と出会う。
アキの思い出に縛られて一歩が踏み出せない朔太郎。
そんなおり、明希の一人息子一樹が、二人の目の前でバイクに轢かれそうになってしまう。
一樹を助けようと飛び出した二人、だがその瞬間、朔太郎はいつもの持ち歩いていたアキの遺灰をいれた小瓶を落としてしまう。逡巡した朔太郎の目の前で明希がバイクに撥ねられる。
割れた小瓶からアキの遺灰が雨に流されていく。だが、朔太郎は振り返りもせず明希の元へと駆け寄った。
明希の手術は成功し、ほっとした朔太郎は落とした小瓶を探しに行くが、アキの遺灰はすべて雨に流されてしまった後だった。
これでよかったのかもしれないと朔太郎は思う。
遺灰を蒔いてくれとアキに頼まれていたのに、アキの死を認めたくなくて17年間もしまいこんでしまった。
朔太郎は17年ぶりにアキの家へと足を向ける。
アキの父親はまだ朔太郎を許してはいないようだったが、それでも、お互いだんだんとアキのことを忘れていくのだと、それが生きていくことなのだと諭す。
朔太郎はわけてもらったアキの遺灰を持って、二人が通っていた高校のグラウンドへやってくる。
風に乗って、朔太郎の手の平からアキの遺灰が空へと舞い上がる。青い青い、アキが見たがっていたオーストラリアの空のような青い空へと。