放送データ

放送日：2004年04月13日〜05月08日
放送局：フジテレビ系
演出　：堤幸彦
脚本　：西永貴文

キャスト

櫻井翔【カントク】
小山慶一郎【サナダ】
平山あや【ミキ】
山口良一【お札の夏目漱石&福沢諭吉 】
山崎一【イガラシ】
河原さぶ【イガラシの上司 】
瀬戸陽一朗【ミキの上司】
半海一晃【クニオ・シュタイナー】
ケラリーノ・サンドロヴィッチ【ナツメ】

見　　所

ジャニーズ×小劇団という、お似合いなんだか、似合わないんだかわからんコラボ「劇団演技者」の中の一作。
オフィクレの監督さんたちが多数参加の作品群の中でも、堤作品は異彩を放ってます。
ケラさんがね、ケラさんがインパクト強すぎて、アイドルの影が薄くなっているのはどうなのよ？とは思う。
キャストは堤さんに縁の深い人たちばかりだし、あえてなのか低予算な作りが、深夜枠×小劇団という貧乏キーワードにぴったりあっていて、乾いた独特の世界を作り上げております。

あらすじ

コンビニでバイトしている主人公（櫻井翔）はひょんなことから、細かい字が表面が真っ黒になるほど書かれた千円札を手にいれる。
彼女（平山あや）と二人で、文字が文章で物語であることを解明し、更にこれが物語であり洗脳プログラムであることを知る。
面白がった二人は、パソコンおたく(山崎一)にネット上にサイトを作ってもらい、そこから自由にプログラムをダウンロードできるようしてももらう。
だが、パソコンおたくは洗脳プログラムに手を加え、無差別殺人の指令を下していたのだ。
プログラムをダウンロードした人間は、菅井きんの着声を合図に、次々と人を殺し始める。
一方、もともとの千円札の持ち主の人気漫画家（半海一晃）は、騒動の原因は千円札に書かれた物語だということに気付く。
コンビ漫画家とデビューしたのだが、女関係のもつれで相方（ケラリーノ・サンドロビッチ）を絞め殺してしまったのだ。
そして、千円札に書かれた物語は二人で考えたものだったのである。
相方は亡霊となり、シアワセにする人間を探していた。
それが、この事件の発端でもあったのだ。
洗脳された男に腹を刺され瀕死の重傷を負ったカントクは、彼女と二人で、事件を収束へと向かわせる！

感想

オールロケ作品が多い監督にしては超絶珍しい、オールスタジオの作品。
だが、それを逆手にとり、舞台作品のドラマ化としてはこれ以上にないってものを作り上げたのは、さすが。
改めて、堤監督のセンスの良さに脱帽してしまった自分なのだった。
やられたなあ。
ずーっとドラマを身ながら、やられたなあと思っておりました。
一つの部屋のセットを使いまわすという手法は、舞台では当たり前のことだけど、ドラマではあんまりやらない。
なにより一番、自分的に受けたのは、風景の書き割り……というか、モノクロ写真。あれは、本当にやられたなあ。
最終回には、むこうに行こうとして写真にぶつかるという演出もあって、小憎たらしいったらもう。
堤監督の人脈なのか、出演者も豪華絢爛。小劇系の役者さんがいっぱいなので、小劇好きにはたまらんですね。
猫☆魂という劇団は今まで知らなかったけど、この作品を見たら無性に行きたくなってしまった。これも、堤マジック？