| ■ 小 説 ■ |
有頂天家族 森見登美彦 京都に棲む狸一族の物語。何がいいかって一言では言えないが、とにかくいい！ものはいい。本物は黙して語らず、ただ読めば、わかる。第二弾も出るそうなので、非常に楽しみ。スロウハイツの神様 上下 辻村深月 辻村深月はもっと評価されていい。2009年はブレイクなるか？ スロウハイツに集まってくるクリエイターのたまご。最終章で明かされる真実は見事に伏線を回収している、いろんな意味でうまい小説。猫鳴り 沼田まほかる 何度捨てても戻ってくる捨て猫は、十数年後、その家で大往生する。猫の死に様をここまで描いた小説は他にない。全猫好き必読の書。 |
| ■ ノンフィクション ■ |
世界屠畜紀行 内澤旬子 牧場にいる家畜が肉となって売られている。と頭ではわかっているけど、牛＝牛肉となかなかつながらない人は多いだろう。著者はモンゴルで羊の解体を目撃したことにより、屠畜に興味を持つ取材を始める。主な世界の国と日本の食肉事情を詳細なイラスト入りで紹介。絶対に読んでおきたい本。死因不明社会 海堂尊 チームバチスタシリーズで大人気作家のもう一つの顔は地味な病理医。人体組織を培養して、死因や病気の原因を調べる仕事。著者が小説を通して訴えている日本の死因解剖のお粗末さを、新書として提示。「ジャニー喜多川」の戦略と戦術 小菅宏 不景気知らずのアイドル業界、心の底から恨めしい。ユー来ちゃいなよでお馴染みのジャニー氏はいかにして、アイドル帝国を築き上げたのか。ビジネス本としても使えます。 |
| ■ コ ラ ム ■ |
目の見えない猫の気持ち 徳大寺有恒 今年は猫系コラムをいろいろ読んだけど、悩んだ末にこれに決定。自動車評論家の大家の著者が、チビ猫に夢中になっている姿は、すべての猫飼いの姿でもある。悶絶スパイラル 三浦しをん やはり三浦しをんはいれておかねば。小説家としての活躍もめざましいけど、身辺雑記を書かせたら当代随一だと思う。人生の片隅には常に笑いの神が微笑んでいるよう。霞っ子クラブ 高橋ユキ/多岐川美伎/長谷川零/加賀見はる子 2009年に惜しくも解散？してしまった、元祖お嬢系裁判傍聴ブログ。ミーハーな語り口だけど、中身はハードという落差がマニアにはタマラナイ。 |